
こんにちは!!みやちゃんです。
光浦靖子さんの『文藝春秋』11月号に搭載されたコラムが反響を呼んでいます。
1・光浦靖子 『49歳になりまして』
2・もう一つの人生も回収したい
1・光浦靖子 『49歳になりまして』
実は4月からカナダに留学する予定でした。レギュラー番組に休みをもらい、
マンション退出手続きをし、入学金を振り込み、あとはヒートテックの肌着をもう5枚買って・・
のときにコロナパンデミックがやってきました。留学できなくなりました。
そうこうしてるうちに緊急事態宣言が発令され、
私は家なき子の仕事なき子になり、妹家族のところに2か月半ほど居候していました。
嘘をつくのもなんなんでいいますけど、40代に入ったころかな?
仕事がゆる~りと減り始めました。テレビの世界に入って、1度も手を抜いたことはありません。
なのに減るのです。 流行り? 運? 好感度?
私は独身です。
旦那も、子供も、彼氏もいません。わかりやすく私を必要いてくれる人が側にいません。
年齢に比例して増えていく休み、そりゃ不安になりますよ。
長い夜、思っちゃいますよ。
『私は誰にも必要とされていない。』と。
ネットには『面白くない』『消えろ』『消えた』無責任言葉が無責任なあふれています。
私は、顔も名前も出さない奴らの憂さ晴らしのためだけに生きているんだ・・・
28年やってても頑張り方すらわからない世界です。
でも私は、この世界の物差ししか持っていなくて、
仕事がない=価値がない
としか思えなくなってしまいました。
自分に満足するもしないも、他人からの評価でしかきめられない。
このままいくと、私はいつか、壊れるな。どうにかしなきゃ。
結婚もそう、出産もそう、なんで私にはできないんだろう
子供のころから、みんなができることができませんでした。
小学生のころ、リーダー格の女の子に「やっちゃんはどう思う?」と聞かれ、答えるたびに
グループで無視をされました。なんでみんなは答えをわかるんだろう。大学のころ、
バイトをクビになってばかりでした。ミスしてクビになったのは仕方ないが、
ミスしなくてもクビになる。
なんでみんな続けられるんだろう。
結婚もそう、出産もそう、ほとんどの同級生が出来たのに、なんで私にはできないんだろう。
いつも人の目を気にしています。
みんなができることができなくて、出来ないことがバレるのが恥ずかしいから、
『元々、人と同じは嫌いなの』 風を装っていました。
自由奔放に生きるなんて私から最も遠いことです。
もうすぐ50歳、もう考え方を変えられるほど柔軟じゃない。
だったら、ひん曲がったなりにナチュラルに生きてみよう。
2・もう一つの人生も回収したい
東京外国語大学に通っていましたが、英語が話せません。
1つのことを追い、極めることが世界では素晴らしいとされています。
でも私にはできそうもな。じゃ、どうする?深さじゃなく、広く浅く、数で勝負するのは?
「逃げ」と「新しい挑戦」の線引きなんて曖昧なもんだ。これは「挑戦」だ。
私は文房具屋になりたかった。手芸屋にも、花屋にもなりたかった。
留学したかった。海外に住んでみたかった。
広く浅く全部に手を出そう。
今から全部叶えよう。
と開き直ったのも留学する動機の一つです。
外国生まれの日本人の友達がいます。
彼女は10代で日本に戻って来た時、虐められたそうです。「違う」と。でも彼女は
「世界はここだけじゃない」
ということを知っていたから、いじめを乗り越えられたそうです。
仕事も友人も住む場所も、「世界はここだけじゃない」を知ったら、
どれだけ強くなれるんだろう。
私はそれを知りたいのです。
英語から逃げた分岐点に戻って、もう一つの人生も回収したいんです。
私には時間がありすぎるし。
コロナ留学もできず今は生殺し状態なのに、不思議と心は穏やかです。
行動を起こさなくても、決心するだけで心境は変化するようです。
相変わらず、金のかからない女です。
『文藝春秋』11月号の「巻頭随筆」と『文藝春秋digital』に搭載されています。


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